奈良春日山原始林特別観察会

@実施日:平成271212日(土)

A参加者:26名

B観察コース
 近鉄奈良駅前を10時過ぎに出発、途中、興福寺「南園堂」の「右近の橘」を眺めながら表参道〜春日山遊歩道に入り、午後1時頃に最終到達点「首切り地蔵」広場に到着。
ここで皆で昼食をとり2時頃に自由解散しました。
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C観察会の状況
・天気は、まあまあの晴れ。この時期なので開花している花が見られたのは「レモンエゴマ」と「シラタマツバキ」くらいで少なく、主に樹木の実や葉を拾って葉の鋸歯の状態などを詳しく観察しました。
・興福寺では、「南園堂」の「タチバナ」の黄色い果実、奈良公園では「イチイガシ」の葉や、国の特別記念物に指定されている「ムクロジ」とその幹の空洞から生えている竹の状況を見たり、「ムクロジ」の実を拾って楽しんだ。
・春日大社参道では金剛山では見られない珍しい「オオバヤドリギ」や白い実をつけた「イズセンリョウ」、国の天然記念物に指定されている「マキ」科の樹木「ナギ」を観察した。
・春日山遊歩道に入ってからは、「タマミズキ」、や「サンショウソウ」、「ヒナウチワカエデ」などの落ち葉などを皆で拾って詳しく観察したりして、初冬の植物を楽しむことができました。

 D観察できた植物

   1.草花・シダほか 12種強

   イノモトソウ、オオバイノモトソウ、オオサンショウソウ、キッコウハグマ、レモンエゴマ、カニクサ、トラノオシダ、マメヅタ、
   ヒメウス゛、シシガシラ、トウゲシバ、ウチワゴケなど

 2.樹木」 18種強

   アキニレ、イチイガシ、イズセンリョウ、ウラジロガシ、エノキ、オオバヤドリギ、カゴノキ、コブシ、サイカチ、シラタマツバキ、
   タチバナ、タマミズキ、ツクバネガシ、ナギ、
ヒナウチワカエデ、ムクロジ、ムクノキ、リンボクなど


 ○植物の写真(提供いただいた写真を中心にとりあえずアップしました。引き続きご提供をお待ちします。)

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興福寺南円堂の右近の橘 イチイガシの大木。イチイガシの葉は、上半分に鋭い鋸歯があり葉の裏には褐色の星状毛が密生する。
イヌガシの葉。 サイカチの大木。サイカチの鋭いトゲは枝が変形したもの。

春日大社参道のムクロジの古木 果実がふやけて破れると黒くて堅い種子が出てくる。羽根つきの始まりは、10月の観察会で見たツクバネの実を手でついて遊んだとか。でも、現在使われている羽子板の羽根は、ムクロジの黒くて堅い実に羽根を付けた物だそうです。それもプラスチックに変わっているのかも。
イロハモミジについたオオバヤドリギ。金剛山のブナの木によく付いているヤドリギとはだいぶ違うよう。
ナギの木。マキの仲間で針葉樹です。ナギラクトンで他の植物の生育を阻害するといわれています。

マメヅタ。ツタというな名がついていますが、シダの仲間です。 イズセンリョウと白い果実。春を待つツボミ。

ツチグリ。袋の中には胞子が詰まっています。 遊歩道斜面に出ていたチャルメルソウの葉。金剛山でよく見るオオチャルメルソウほど葉は長くない。色も少し紫がかって汚れた感じ。

レモンエゴマの花が暖冬のせいか、まだ残っていました。



解散後、旧柳生街道(滝坂の道)を帰ったときに見た植物です。春にも一度いってみたい場所でしたが、6月以降はヒルに要注意とか。

トオゴクサバノオの葉 公園近くで見たイラクサ。トゲの大きな個体が鹿の食害を逃れて生き残っているとか。
将来は、トゲイラクサとでも名がつけられる?
自然淘汰(自然選択)がどこまで進むのやら。
ナワシログミの実。



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