第131回観察会の記録

1.日時:平成29年6月10日(土)

2.参加人数:31名

3.観察コース:金剛山ロープウェイ前バス停〜伏見林道〜ちはや園地〜ちはや園地キャンプ場(昼食)
  〜ミュージアム〜四季の谷〜しゃくなげの路〜ミュージアム前(解散)

4.観察会の状況

先月の観察会は雨のため中止となってしまいましたが、今回はすばらしい天気の中で開催することができました。参加者は31名でした。
府道沿いではオオバアサガラが白い大きな房のような花を見事に咲かせていました。
伏見林道ではオカタツナミソウ、マルバウツギ、コツクバネウツギ、ヤブウツギ等も見ることができましたが、ウラジロマタタビはまだ蕾でした。
  府立駐車場近くの府道沿いではもう咲いていたのですが、伏見林道では日当たりの関係か少し遅いようです。
伏見峠近くと、ちはや園地ではカノコソウを見ることができました。伏見峠近くのカノコソウはやや色があせてきていましたが、
  ちはや園地のカノコソウはピンクの色合いが濃く、個体数も増えてきたように感じられます。
今回は100種類ほどの植物を観察できました。ウツギ類もほぼ出そろってきました、金剛山で見ることができるウツギ類をまとめてみました。

 5.観察できた植物

@主な草花(約58種、葉だけの物も含む)
・アカショウマ、アマチャツル、アヤメ、イヌガラシ、イヌシヨウマ、ウワバミソウ、オカタツナミソウ、オタカラコウ、オトギリソウ
 オニドコロ
・カエデドコロ、カノコソウ、キクバドコロ、キクバヤマボクチ、キクムグラ、キツネノボタン、キツリフネ、クガイソウ、クリンソウ
 クルマムグラ、クワガタソウ、コウゾリナ、コウライテンナンショウ
・ササバギンラン、ササユリ、サワギク、ジシバリ、スイカズラ、タガネソウ、タチイヌノフグリ、タニギキョウ、ツボスミレ、ニガナ
 ニッコウキスゲ
・ハルジオン、ヒゴクサ、ヒメジョオン、フタリシズカ、ヘビイチゴ、ホウチャクソウ、ホタルブクロ、マネキグサ、マルミノヤマゴボウ、
 ミゾホオズキ、ミヤマコウモリソウ、ミヤマナミキ、ミヤマナルコユリ、ミヤマムグラ、モミジガサ、モミジカラスウリ
・ヤマハタザオ、ヤマムグラ    など

A主な樹木(約38種、葉だけの物を含む)
・アワブキ、ウスゲクロモジ、ウツギ、ウラゲウコギ、ウラジロウツギ、ウラジロマタタビ、ウリノキ、エゴノキ、オオバアサガラ
・ガマズミ、カマツカ、キブシ、クマイチゴ、クマノミズキ、コウツギ、コツクバネウツギ、コマユミ、コゴメウツギ
・サルトリイバラ、サンカクヅル、シチダンカ、シラキ、ジングウツツジ、タンナサワフタギ、ツリバナ、ナガバモミジイチゴ、
 ナツツバキ、ニシキギ
ヒメクロモジ、ヒメコウゾ、マツブサ、ミズキ、ミヤマウコギ、ミヤマハハソ、ヤハズアジサイ、ヤブイバラ、ヤブウツギ、ヤマグワ、ヤマボウシ、マルバウツギ
など


〇植物の写真

  (サムネイルをクリックすると、拡大画像になります。元に戻るにはブラウザーの「戻る矢印ボタン」を押してください。)

伏見林道での観察 ちはや園地展望台から

オオバアサガラ コゴメウツギ コツクバネウツギ コツクバネウツギ
 府道沿いの駐車場では見事な花が咲いていました。  バラ科の小さな花です。

 黄色の小さな筒型の花です。

 咲きそろって見事です。


マルバウツギ ミヤマハハソ ミヤマウコギ ヒメコウゾ
 同じウツギでも雄しべの形が変わっています。

 まだ蕾ですが、小さな房状の花を咲かせます。

 ヤマウコギなどよりは、葉が薄く少し光沢があります。

 これは雌花。雄花はすでに落ちたのか、見当たりませんでした。

ウラジロマタタビ ウラジロマタタビ オニ ツルウメモドキ (参考写真)オニツルウメモドキ
 伏見林道の株はまだ蕾でした。


 府道沿いで咲いていた花。葯が黒っぽく、マタタビの名が付いていますが、サルナシの変種です。  葉の裏の葉脈が、ふくれたり曲がったりしています。


 これは秋の写真です。秋には黄色い実を付けます。



イラクサ イラクサ オカタツナミソウ サワギク
 イラクサが大きくなってきました。


 茎の刺が当たると、いらいらするほどの痛がゆさです。注意!

 上の葉が大きく、茎には下向きの曲がったような毛があります。

 花が終わると果実を付けますが、冠毛が集まってボロの様に見えて見苦しい。



タニギキョウ フタリシズカ カノコソウとダイミョウセセリ カノコソウ
 早くから咲いていたタニギキョウもそろそろ終わりです。

 そこここで満開です。穂に付いた白く丸い物が花です。

 ちはや園地のカノコソウが増えてきました。嬉しい限りです。

 伏見峠下のカノコソウは終わりかけてきたのか、色が白くなっていました。

ミヤマナミキ (参考写真)ミヤマナミキ花 ミヤマナルコユリ ミヤマナルコユリ
 残念ながら、まだ咲いていませんでした。シソ科の植物の葉はよく似ていて区別しにくいものです。

 極く小さな花を付けますが、気をつけながら探さないと見逃してしまいます。この写真はカメラを地面において撮影しました。

 ナルコユリよりやや早く咲いていました。ナルコユリはしゃくなげの路ではまだ蕾でした。


 株を裏返してみると、ナルコユリより葉の幅が広く、花が左右にはねたように咲くのがよく分かります。撮影後、元に戻しておきました。

クワガタソウ ヤマトグサの雄花と雌花 イネ科シラゲガヤ? 当日採取したシラゲガヤ
花が終わりかけて兜のような果実が付いていました。



観察会の際に雌花について質問がありましたが、すでに果実を付けていました。


全体がビロード状の毛で覆われていることなどから、ヨーロッパ原産のシラゲガヤではないかとのご意見と資料の提供を頂きました。ベルベットグラスとも言われているようです。
別名:ベルベットグラス

ノウサギ ミソサザイ
 ちはや園地にまた出没しているようです。なぜか逃げません。  伏見林道沿いで賑やかにさえずっています。




〇金剛山で見られるウツギと名の付く花

 ・茎が空ろなところからウツギと呼ばれている樹木ですが、色々な科のものがあります。

 ・アジサイ科(以前はユキノシタ科に分類されていましたが、新分類ではアジサイ科が新設されました。)
 ・スイカズラ科
 ・ミツバウツギ科
 ・バラ科
 ・ゴマノハグサ科(以前はフジウツギ科似分類されていました。)

 にまたがって多くのものがあります。

ウラジロウツギ(アジサイ科) マルバウツギ(アジサイ科) バイカウツギ(アジサイ科) ノリウツギ(アジサイ科)
 葉の裏が白く、葯の色も最初のうちは白っぽい。

 葉が少し丸くて花弁が横に開いて(平開して)中がよく見える。  花弁が4枚のウツギ。葉は三行脈が目立つ。

 枝の先に装飾花を伴う白い花を多数付ける。


コウツギの写真がありません。
悪しからず。
ウツギ(アジサイ科) コウツギ(アジサイ科) ツクバネウツギ(スイカズラ科) オオツクバネウツギ(スイカズラ科)
 "普通のウツギ”。葉が少しすぼんで葯がやや褐色を帯びた黄色。

 ウツギよりも葉も果実も小さい。花が一番遅く、まだ、綺麗な写真を撮れていません。

 スイカズラ科のウツギは筒型の花。萼片がツクバネの羽根のよう。5個の萼片がほぼ同じ大きさ。  花はツクバネウツギより少し大きい。5個の萼片の内の1個が小さい。


コツクバネウツギ(スイカズラ科) ヤブウツギ(スイカズラ科) ミツバウツギ(ミツバウツギ科) コゴメウツギ(パラ科)
 金剛山のものは花弁が黄色いが、黄白色、白色のものもあるとか。ツクバネウツギなどと違い、萼片が2〜3個。花も小さい。  暗赤色の花弁と黄色い葯、毛だらけの様子が特徴的。



 葉が3小葉からなり、独特の花の形に驚いていると、科が違いました。


 米粒のように小さい花ということでしょうか。コゴメウツギの名が付いています。これはバラ科。



フジウツギ(ゴマノハグサ科)
 他のウツギとは全く雰囲気が違います。外国産の品種を含めて属名(Buddleja)から、園芸種がブッドレアと名付けられて販売されています。





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