第132回観察会の記録
1.日時:平成29年7月8日(土)
2.参加人数:28名
3.観察コース:千早大橋バス停〜大住谷入り口〜大住谷(昼食)〜大住谷入り口解散
4.観察会の状況
・梅雨末期の蒸し暑い中での観察会でしたが、何とか天気は持ちました。 |
・滅多に行かない大住谷林道は、人も少なく谷沿いの静かな環境で落ち着いて観察することができました。 |
・谷に入るまでの府道では、ゆっくり観察する余裕がなかったのですがクマヤナギ、マルバマンネングサなども見ることができました。 |
・谷に入ってからは、最近新種登録されたツカモトハコベや樹高が高くて気がつくことが少ないケンポナシ(ケケンポナシ)などが見られました。 |
5.観察できた植物
@主な草花(約42種、葉だけの物も含む)
・アカショウマ、アキチョウジ、イケマ、イワタバコ、ウマノミツバ、オカトラノオ、オニドコロ、
・キツネノボタン、キツリフネ、キランソウ、ギンレイカ(ミヤマタゴボウ)、キクバドコロ、クサイチゴ、クサノオウ、コナスビ
・シオデ、セトウチホトトギス、タケニグサ、ツカモトハコベ、ツユクサ、トウバナ、ナルコユリ
・ハエドクソウ、ハダカホオズキ、ハナイカダ、ヒメジョオン、ホタルブクロ、ホドイモ
・マツカゼソウ、マルバマンネングサ、マルミノヤマゴボウ、ミズタビラコ、ミゾホオズキ、ミヤコミズ、ムラサキサギゴケ、ムラサキニガナ、
モミジカラスウリ
・ヤブヘビイチゴ、ヤブミョウガ、ヤマクルマバナ、ヤマトウバナ、ヨウシュヤマゴボウ など
A主な樹木(約24種、葉だけの物を含む)
・アオツヅラフジ、イヌビワ、ウスノキ、ウリノキ、エビガライチゴ、オオバアサガラ、オカウコギ
・キダチコマツナギ、クマノミズキ、クマヤナギ、ケケンポナシ、コバンノキ
・サンカクヅル、テイカカズラ、ニガイチゴ、ネズミモチ、ネムノキ、ハナイカダ、ヒメコウゾ
・マタタビ、ミヤマフユイチゴ、ムラサキシキブ、ヤハズアジサイ、ヤマアジサイ
〇植物の写真
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アカショウマ | ミヤコミズ | ミヤコミズ | マルミノヤマゴボウ |
もう少ししたら咲き始めるサラシナショウマやイヌショウマはキンポウゲ科。このアカショウマはユキノシタ科。 | この時期には少し赤みを帯びるイラクサ科の多年草。環境省やいくつかの県でレッドデータブックに記載されている。 |
花は淡紅色で果実はほぼ球形。ヤマゴボウは中国原産と言われ、ヨウシュヤマゴボウは北アメリカ原産。これは日本産。 |
ハカタシダ | キツネノボタン | キクバドコロ | サンカクヅル |
オシダ科カナワラビ属の常緑シダ植物。 |
キツネノボタンは普通無毛だが、茎が細くて、斜上する毛があるものをヤマキツネノボタンとして分ける説もあるとか。ケキツネノボタンは開出毛(横に広がる毛)が多いとのこと。そこまで分ける? | 葉の先が鋭く尖る。 |
ブドウ科ブドウ属の落葉性ツル性木本。 |
ムラサキニガナ | ケムラサキニガナ | ムラサキニガナ | ハナイカダ |
キク科の多年草。葉の形と紫色の花が特徴。茎や花柄に腺毛があるものを、変種のケムラサキニガナとして区別されている。この写真ではそこまで確認できなかったのでムラサキニガナとしたとのことでした。 | これは腺毛が見られるので、ケムラサキニガナ。 |
腺毛のないものも見られた。ムラサキニガナ。 (腺毛:表皮細胞が変化した毛。多くは先端が球状に膨らんで、その中に分泌物が含まれている) |
ハナイカダの果実がなり始めていました。 |
ハナイカダ | クマイチゴ | ナワシロイチゴ | ヒメコウゾ |
横から見ると果実が葉から飛び出しているのがよく分かる。 |
食べてみると最後に少し苦みを感じるが、意外と甘い。キイチゴ類。 |
酸味があって意外といけます。 甘さはナガバモミジイチゴほどではないが、喉が渇いているときは悪くない。キイチゴ類 |
食感がやたら粘る。山芋のオレンジ味風味。 |
ヒメコウゾ | ツカモトハコベ | ミズタビラコ | ミズタビラコ |
おいしそうに見えるが口に入れたくはない。 |
ますたにさんが以前から見つけていたハコベ。最近正式に新種登録された。花弁がなく萼と雄しべ、雌しべだけの花。 | まだ花が残っていた。 蕾や花が咲く頃は花茎がくるくると巻いている。 |
花が終わると花茎が立ち上がって実を付ける。 |
ケケンポナシ | ケケンポナシ | ケケンポナシ | シオデ |
ケンポナシはクロウメモドキ科ケンポナシ属の高木。枝や葉に毛が多いものをケケンポナシと区別していたが、最近では毛はケンポナシでも見られるため、葉の鋸歯の大きさで区別するという。 3番目の写真の葉の鋸歯をよく見ると、鋸歯は浅くて殆ど目立たない。ケ〇〇の名前も悩みが多い。 |
サルトリイバラ科のつる性多年草。シオデ属、叉はサルトリイバラ属に分類。よく似たヤマガシュウは、同じ属の木本つる性で茎に刺がある。 |
ムラサキシキブ | ムラサキシキブ | (参考写真)ヤブムラサキ | ミヤマフユイチゴ |
クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木。 ムラサキシキブは枝や葉、萼がほぼ無毛で、花は上向きに付く。 ヤブムラサキは枝や葉に灰白色の星状毛が密生し花は下向き。 これらの雑種のイヌムラサキシキブも見られる。 |
枝に毛が少なく、刺がある。 |
クマヤナギ | クマヤナギの実を食べるメジロ | クマヤナギ | マルバマンネングサ |
府道沿いで見られた。クロウメモドキ科の半つる性の落葉低木で、ヤナギ類ではない。 枝先と枝先近くの葉腋から総状の花序を出す。 このときは、メジロが色づいた果実を食べに来ていた。 果実は、実を付けた翌年の夏頃に熟すので(赤→黒)、花の時期に今年の花と前年の果実が同居する。 |
マンネングサの仲間は常緑の多肉植物。 葉や茎に水分を蓄えることができるため岩の隙間や水辺の岩の上、コケの上など環境の厳しいところに多い。 |
マルバマンネングサ | マルバマンネングサ | イケマ | イケマ |
マルバマンネングサは葉は対生し倒卵形〜さじ形の葉をつける。 | キョウチクトウ科のつる性の多年草。 |
モミジカラスウリ | オカトラノオ | ミソサザイ |
カラスウリの花は朝になると閉じてしまうが、モミジカラスウリはまだ開いていることが多い。 | スジグロシロチョウやアサギマダラなどの蝶が大好きなオカトラノオが咲いていた。 |