第122回観察会の記録

1.日時:平成28年6月11日(土)

2.参加人数:37名

3.観察コース:村道〜黒栂林道〜カトラ谷入口〜長谷林道

4.観察会の状況
  ・梅雨期入りの気候にもかかわらず、それほど蒸し暑さも感じない比較的良い天気の中での観察会となりました。
 ・草花は少なく、そんなに目立った植物は見られませんでしたが「オカタツナミソウ」、「ササユリ」や咲き始めの「オカトラノオ」,「キツリフネ」などが
 ・樹木では今が盛りの「ウツギ」や、葉腋の下にゼンマイのように巻き上がった白い花弁と垂れ下がった黄色い雄しべが見える可愛い「ウリノキ」、新枝の先に白い総状花序を出す「イボタノキ」などがみられました。

 ・また、「クマイチゴ」や「クサイチゴ」などイチゴ類の果実も多く見られました。
 ・カトラ谷入口付近の林道では「オニルリソウ」があり、まだ花は咲いていないものの開花時期の8、9月ごろが楽しみになりました。

5.観察できた植物

@主な草花(開花していないものを含む)
・アオハコベ、アカショウマ、イグサ、オヤブジラミ、オカタツナミソウ、オカトラノオ、オニルリソウ、
・カワジシャ、カモガヤ、カラスビシャク、キツリフネ、キツネノボタン、キキョウソウ、クジャクシダ、ゲンノショウコ、コウゾリナ、コウライテンナンショウ、コモチマンネングサ、コメツブツメクサ、
・ササユリ、サイハイラン、サワギク、ジャコウソウ、シロツメクサ、
・テキリスゲ、トチバニンジン、トウバナ、ドクダミ、
・ナルコユリ、ナツノハナワラビ、ニワゼキショウ、ニョイスミレ、
・ヒメジョオン、モミジカラスウリ、ヤマトウバナ、ユキノシタ、など約40種

A主な樹木(開花していないものを含む)
・アサガラ、イボタノキ、ウラジロマタタビ、ウリカエデ、ウリノキ、ウツギ、エゴノキ、エビガライチゴ、オオバアサガラ、
・カエデドコロ、クサイチゴ、クマイチゴ、クマシデ、クマノミズキ、
サンカクヅル、シラキ、スイカズラ、
・ツクバネ、
・ナガバモミジイチゴ、ナワシロイチゴ、
・ハナイカダ、バイカウツギ、マタタビ、ミズキ、ヤマアジサイ、ヤブイバラ、ヤブウツギ、ヤマガシュウ、ヤマグワ、など約25種


〇植物の写真

 最初にアップしてから、追加で提供があり合計5名の方から写真を提供頂きました。ありがとうございました6/16に写真を追加更新しました。

(サムネイルをクリックすると、拡大画像になります。元に戻るにはブラウザーの「戻る矢印ボタン」を押してください。)

    カラスビシャク

サトイモ科ハンゲ属で、山でよく見かけるムロウテンナンショウ等のテンナンショウ属とは別のグループ。畑などに多いようです。
     オカタツナミソウ

茎の上の方の葉が大きい
茎に下向きの毛があります。


ナルコユリ





ナルコユリ





    ミヤマナルコユリ

ナルコユリに比べて葉が丸い。ナルコユリの花が下にきれいに垂れるのに比べて、花が横に開き気味で、時に上にはねる。
      オカトラノオ






サイハイラン





モミジカラスウリ





モミジカラスウリ





ナツノハナワラビ





ミゾホウズキ





  カワジシャ(カワヂシャ)

ゴマノハグサ科クワガタソウ属に属すので、クワガタソウによく似た花の形をしています。この写真ではよく見えませんが、鋸歯の大きさからカワジシャのように思うのですが、ただ、オオカワジシャかも(※)しれません。

 (※)写真アップ後に、外来のオオカワジシャかもしれないとのご指摘を頂きました。オオカワジシャは、特定外来生物に指定された生息の拡大を防止し駆除したいと指定された生物です。
    葉の鋸歯等が異なるようですが、大阪府立環境農林水産総合研究所のホームページに記載があります。 詳しくご存じの方はお教えください。
    http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/zukan/zukan_database/mizukusa_gairai/4350b31dd019ea9/1250bd559b10da5.html
    

       トウバナ

夏〜秋には、トウバナ、イヌトウバナ、ヤマトウバナ、ヒメジソなど、シソ科のよく似た花が沢山出てきて見分けにくい。
ヤマトウバナ





      キツリフネ

ツリフネソウに先立って、キツリフネが咲き始めました。


キツリフネの葉は、水をはじく力が強いのか、雨滴を丸くはじいているのを見かけることが多い。
早朝や雨上がりに、葉の表面だけでなく、水孔から排水しているのか葉の縁に水滴を付けている様子がよく見られます。
    エビガライチゴ

バラ科キイチゴ属の木本。
花が開き始めたところで、まだ果実は付いていない。


イチゴの果実関係をまとめました。

     ヘビイチゴ

バラ科キジムシロ属の草本。
葉は3個の小葉からなるが、小葉の形がヤブヘビイチゴと異なり、扇状に開いているように見える。
果実には光沢がない。
    ヤブヘビイチゴ

バラ科キジムシロ属の草本。
小葉の先端はヘビイチゴよりは、すぼんでいる。
果実には光沢がある。


       参考写真
ヘビイチゴ類は、萼片の下の副萼片が大きく、ヤブヘビイチゴの副萼片は、萼片よりも大きい。葉の形と副萼片の大きさが、ヘビイチゴとの見分けに役に立つ。


       クサイチゴ

名前はクサと付いているが、草本ではなくバラ科木イチゴ属の木本。



     クマイチゴ

バラ科キイチゴ属の木本。





   ナガバモミジイチゴ

バラ科キイチゴ属の木本。






     オヤブジラミ

ヤブジラミよりも果実の柄が長く、少し紫色に色続いている。
       イボタノキ



     ウラゲウコギ

葉の裏に粗い毛が見られる。

      ウリノキ



ウリノキ



     オオバアサガラ

アサガラに比べて葉少し大きく、花序は長い。


クマシデ





クマシデ




ニワトコの実




ハナイカダの実




   マタタビ・雌株(両生花)

花の中心に線形の白い花柱が放射状に広がる。雄株の雄花にはこの花柱がない。
マルバアオダモ





ヤマアジサイ ヤマガシュウ ヤマガシュウ ヤマグワ ヤマグワ


       アオハコベ

ルーぺにカメラのレンズをくっつけて撮影されたようです。マクロレンズでなくても、おもしろい写真が撮れましたね。
     ウリノキ

開花する前、花弁がめくれ上がる前でしょうか。


       ウリノキ

黄色い葯に毛が生えているのですね。


ナガバモミジイチゴ







j〇番外編(植物以外、昆虫編です)

   スジグロシロチョウ

モンシロチョウは、里の畑に多く、山中の白い蝶はほとんどこのスジグロシロチョウのようです。
      カゲロウ

谷筋の葉の上でカゲロウが休んでいました。調べてみるとフタスジモンカゲロウと言うようですが、詳しくご存じの方はメールください。






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