第127回観察会の記録
1.日時:平成29年3月25日(土)
2.参加人数:36名
3.観察コース:水越峠バス停〜旧国道309号線〜ガンドガコバ林道(ダイヤモンドトレイル)〜林道終点付近
4.観察会の状況
・まだ寒さの残る天気の中で2017年(平成29)の観察会がスタートしました。 |
・寒さのため開花が10日近く遅れている中ですが、アオイスミレ、スズシロソウ、ショウジョウバカマ、ユリワサビ等の花を見つけるとホットしました。 |
・この時期にいつも咲くアブラチャンやダンコウバイも何とか花を咲かせてくれたのと、地味ですが、カバノキ科のオオバヤシャブシやケヤマハンノキ等の花も見ることができました。 |
・林道終点付近の広場で昼食を済ませて解散し、山頂に向かう人、三々五々峠まで戻る人などやっと咲き始めた春の花を楽しめた一日でした。 |
・帰路には、アオイスミレやダンコウバイなどが午前中以上に咲き出しており、気温の変化と花の開花がどんどん進んでいくのを実感しました。 |
5.観察できた植物
@主な草花(約17種、葉だけの物も含む)
・アオイスミレ、オオイヌノフグリ、オオチャルメルソウ(ヤマトチャルメルソウ)、
・カテンソウ、コハコベ、サイハイラン、ショウジョウバカマ(シロバナ)、シロバナネコノメソウ(蕾)、スズシロソウ
・ツルカノコソウ、テリハキンバイ、ナガバノタチツボスミレ、ニッコウネコノメソウ、ニリンソウ
・ムラサキケマン、ヤマネコノメソウ、ユリワサビ
A主な樹木(約17種、葉だけの物を含む)
・アオキ、アブラチャン、イヌガヤ、オオバヤシャブシ、キヅタ、キブシ、クサイチゴ、ケヤマハンノキ
・ダンコウバイ、ナガバモミジイチゴ、ナワシログミ、ニワトコ、ヒメクロモジ、フサザクラ、マメガキ、ヤブツバキ
ヤマコウバシ
〇植物の写真
(サムネイルをクリックすると、拡大画像になります。元に戻るにはブラウザーの「戻る矢印ボタン」を押してください。)
見分けにくいダンコウバイとアブラチャン、ヤシャブシの仲間とハンノキの仲間などを、他の時期に撮った参考写真も交えて掲載しました。
観察会の様子 | |
観察した植物のいろいろ | |||
アオイスミレ; | カテンソウ | イヌガヤ | |
春一番に咲くスミレ。出始めた葉が表側に巻いていることや花弁が立ち気味で、花弁のふちが少し波打っている。白っぽい個体もある。 |
まだはじける前の蕾が出始めていました。 |
カヤに比べて葉が柔らかく、刃先の針状のトゲも痛くない。 |
アブラチャン | ダンコウバイ | ||
花は、ダンコウバイとよく似ているが、花の付き方や花柄の有無等で見分けられる。ようやく咲き始めました。尖った葉芽の両側に丸い花芽がぶら下がる。 | 花芽とは葉芽が離れている。花には花枝が無く、枝に直接付いている。 |
ヒメクロモジ | ダンコウバイ、アブラチャンとヒメクロモジの葉芽、花芽の違い。 | |
アブラチャンと同じように、葉芽の両側に花芽がぶら下がるが、花と葉はほぼ同時に展開するので、花が咲き頃には葉も開き始める。 | ダンコウバイは、花芽と葉芽が離れていて、花芽には柄がなく枝に直接付いています。アブラチャンやヒメクロモジでは葉芽の両側に花芽が柄の先にぶら下がっています。花が少し高いところで咲いていても、花と葉芽の位置関係で大体見分けが付きます。 |
オオバヤシャブシ | ケヤマハンノキ | ||
オオバヤシャブシの雄花はずんぐりと短い。 |
ガンドガコバ林道の周辺のカバノキ科は、オオバヤシャブシとケヤマハンノキが殆どです。 ケヤマハンノキとヤマハンノキは葉に毛があるかないのかなので、葉が出ないと分かりません。 うっかり、ヤシャブシとして説明したことがあったかもしれません。ケヤマハンノキです。 |
カバノキ科ハンノキ属とヤシャブシ属の花序の違い | キヅタ | ||
ハンノキ属の雄花には短い柄があるが、ヤシャブシ属には柄はなく、枝に直接ぶら下がる。 ヤシャブシは枝の最先端に雄花が付いて(下に垂れている)、次に雌花が上を向いて付く。 オオバヤシャブシは最先端には葉芽及び雌花が上を向いて付いて、その下に雄花が付く。 |
果実が付いていました。 |
キブシ | フサザクラ | ダンコウバイ | |
本来、早くから咲くキブシがようやく開花し始めていました。 | 日当たりの良いところでは花が開き始めていました。目立つ赤い房は、雄しべの先端に付いた葯です。 |
帰る頃にはダンコウバイの花がだいぶ開いていました。 |
スズシロソウ | ユリワサビ | ||
スズシロソウは、送出枝(ランナー)を出してその先端に株をつけて横に広がります。 | ユリワサビも陽だまりの中で咲き始めていました。スズシロソウと同じアブラナ科なので、花弁は4枚のよく似た花です。 |
ヤマネコノメソウ | ニッコウネコノメ | ショウジョウバカマ | |
金剛山で一番良く見られるヤマネコノメソウ。葉は互生です。 |
ニッコウネコノメがつぼみを付け始めていました。もう少しすると株の中心付近が黄色くなって目立ってくるでしょう(右側の参考写真)。 | 白花のショウジョウバカマ |
フキノトウ | ヒメクロモジの葉と花の展開 |
日当たりの良いところでだいぶ開いてきました。 |
4月に入るとヒメクロモジが葉と花を広げ始めます。(参考までに) |