第137回観察会の記録

1.日時:平成30年5月12日(土)

2.参加人数:42名

3.観察コース:集合場所(金剛登山口バス停近くの広場)〜黒栂林道〜作業道(昼食、解散)

4.観察会の状況

・久しぶりの表登山道方面の観察会。黒栂林道が台風被害を受けてあちこちが壊れている中で、足元に注意を払いながらの観察会でした。
・早春の野草も一段落して、2番手の野草やウツギ、ハナイカダ、ツクバネなどの樹木の花が楽しめました。
・ツクバネやハナイカダなど雌雄別株の雄花と雌花の違いが比較できてよく分かりました。
・アケボノソウの苗も多く見つかり、秋が楽しみです。
・林道の先の作業道で食事後解散、セトや山頂まで登る人、林道を戻りながらさらに観察する人達など、午後からは思い思いの楽しみ方ができました。

 5.観察できた植物

@主な草花(約50種以上、葉だけの物、シダ植物なども含む)
・アカネ、アケボノソウ、イヌガラシ、ウワバミソウ、オオイヌノフグリ、オニタビラコ、カエデドコロ、カキドオシ、カラスノマゴ、キクムグラ、
ギシギシ、キツリフネ、キランソウ、キンポウゲ、キンミズヒキ、クサノオウ、クジャクシダ、クリンソウ、コウゾリナ、コウライテンナンショウ
・ジシバリ、シャガ、シラホシムグラ(ヨーロッパ原産)、ゼニゴケ、タケニグサ、タニギキョウ、タマゴケ、チゴユリ、ツボスミレ(ニョイスミレ)、
ツルカノコソウ、ツルニチニチソウ(ヨーロッパ原産)、テリハキンバイ
・ナルコユリ、ニガナ、ニッコウネコノメ、ハコベ、ハルジオン、フタリシズカ、フラサバソウ、ヘビイチゴ、ホウチャクソウ
・ミヤコアオイ、ミヤマキケマン、ミヤマナルコユリ、ムラサキケマン、オヤブジラミ、ヤブヘビイチゴ、ヤマトグサ、ヤマユリ、ヨゴレネコノメ、
ラショウモンカズラ

A主な樹木(約40種以上、葉だけの物を含む)
・アオキ、アカメガシワ、イヌガヤ、ウツギ、ウラジロウツギ、ウラジロマタタビ、ウリカエデ、ウリノキ、オオツクバネウツギ、カマツカ、キリ、
クサイチゴ、クマイチゴ、クマシデ、クマノミズキ、クリ、コゴメウツギ、コナラ、コマユミ
・サルトリイバラ、サルナシ、シロバナハンショウヅル、ツクバネ、ツタウルシ、トリガタハンショウヅル
・ナガバモミジイチゴ、ニガイチゴ、バイカウツギ、ハナイカダ、ヒメコウゾ、ボタンヅル、マタタビ、マルバウツギ、ミズキ、ミツバアケビ、
ミツバウツギ、
・ヤブウツギ、ヤブツバキ、ヤマアジサイ、ヤマガシュウ、ヤマグワ、ヤマブキ、ヤマフジ


〇植物の写真

  (サムネイルをクリックすると、拡大画像になります。元に戻るにはブラウザーの「戻る矢印ボタン」を押してください。)

カツラギグミ カツラギグミ キクムグラ
〇大和葛城山、金剛山付近に生育する特有のグミ。
〇花は実に小さく目立たない。

〇キクムグラの花は4弁の極く小さなもの。
撮影はマクロレンズでないと難しい。

オオチャルメルソウ オオチャルメルソウ (参考写真)オオチャルメルソウ
〇花が終わり受粉して種子ができつつあるところ。
〇アップで撮ると種子の様子がよく分かる。


〇花の時期のアップ。花弁が羽状に分かれて、萼片がお皿のような花盤から三角状に飛び出る。

ウラジロウツギ ミツバウツギ マルバウツギ
〇葯の下の花糸が左右に尖っているのが見える。ウツギ属のウツギは花糸の形が変わっている。

〇ミツバウツギの花は、花弁が筒のように雄しべ、雌しべを取り囲み、花弁のように見える白い萼がその下に付いている。ミツバウツギ科という違う科に分類されている。、 〇マルバウツギは、花の直下の葉には葉柄が無く、対生の葉が枝に直接付いている。花もウツギに比べて左右に広いている。


サルトリイバラ (参考写真)ヤマガシュウ (参考写真)ヤマガシュウ
〇サルトリイバラ、コミノサルトリイバラは、葉の光沢が強い。葉は厚い。
〇よく似たヤマガシュウの葉は、やや光沢が少なく葉先が尖り、5〜7ある葉脈が目立つ。葉が少し薄く縁が波打っていることも。 〇ヤマガシュウは、サルトリイバラと同じ木本のツルで枝に刺がある。。同じ属のシオデはよく似ているが、草本のツルで枝に刺が無い。

ツクバネ雄花 ツクバネ雌花 (参考写真)ツクバネ雌花
〇ツクバネの雄花。葯が見える。


〇ツクバネの雌花。花の下の萼が羽のように伸びてくる。

〇同じ所の昨年の写真。萼が羽のように大きくなっている。やがて、真ん中に丸い果実が大きくなる。

ツルカノコソウ ツルカノコソウ タニギキョウ
〇今の時期になると花も広がってくる。雰囲気はオオバタネツケバナと似ているが、こちらの葉は先が細くなる。 〇花弁は5枚。オオバタネツケバナはアブラナ科特有の、上下2枚づつの4枚。

〇タニギキョウの花は薄暗いところで咲いていることが多く、なかなかきれいに撮りづらい。花弁にうっすらと紫の縦筋がある。

フタリシズカ クリンソウ ミミナグサ
〇2本の花穂に付く白い花糸。丸く織り込まれて葯はその中にある。雌しべも花糸の内側にあるとか 〇道沿いや谷筋の水の流れから離れたところのものは、植えられているものが多い。

〇花柄が長く伸びてその先に花を付ける。ヨーロッパ原産のオランダミミナグサは花柄が短い。


ハナイカダ雄花 ハナイカダ雌花 ヒメコウゾ
〇雄花。複数付くことが多く、雄しべが見える。雌雄異株なので雄株。

〇雌花は一つのことが多い。アップしてみると雌しべの柱頭が見える。雌株。

〇花はその年伸びた新枝につく。枝の先には雌花が、根元には雄花が付く。熟した雄花が白い花粉を出している。

ヤブヘビイチゴ ヤブヘビイチゴ (参考写真)ヘビイチゴ
〇ヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴは花弁の下の副萼片が大きい。

〇大きな副萼片。葉(小葉)は真ん中付近が広い。

〇ヘビイチゴの葉(小葉)は、扇のように開いて葉の先の方が広い。


ナベワリ ナベワリ (参考写真)ナベワリ
〇葉が有毒で、舐めると舌が割れる→なめわり→ナベワリと呼ばれるようになったとか。
薄暗い人工林の林床などに生育していることが多い。
〇花の写真はとにかく撮りづらい。下から覗き込んでもファインダーを見ながら採るのは至難の業。

〇急な斜面に生えているものを下から、しかも、カメラ背面の液晶を傾けて画面を見ながら(バリアングルで)撮ったもの。ようやく花の形が分かった。

キランソウ タマゴケ オウギカズラ
〇毛が非常に多い。シソ科の花は似たものが多い。

〇丸い胞子嚢を持つ胞子体が特徴的。


〇帰りにカトラ谷の入り口付近で咲いていたようです。伏見林道沿いでも一昨日(5/14)咲いていました。

ヤマグワ果実 (参考写真)ヤマグワ果実
〇果実ができつつある。飛び出しているのは雌しべ(花柱)。 〇熟すと赤く、やがて黒くなる。飛び出した花柱は最後まで残る。

カツラギグミ ムロウテンナンショウ タニギキョウ
〇付属体先端が濃い緑色のマッチ棒のように膨らんでいます。 〇葉の表面に毛があります。


フタリシズカ ホウチャクソウ マルバウツギ
〇茎が枝分かれします。

〇花の下の葉には葉柄が無く、葉は茎を抱いている。

サカハチチョウ
〇雌の春型で出始めたばかりだそうです。






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