第138回観察会の記録
1.日時:平成30年6月9日(土)
2.参加人数:34名
3.観察コース:集合場所〜五條林道(池の谷林道)〜千早峠(昼食、解散)
4.観察会の状況
・梅雨入り後初めての観察会で、前日の昼頃までは雨の予報。何とか回復して開催することができた。 |
・普通、高いところで咲く高木のシラキの花が林道沿いの低いところで観察でき、雄花、雌花の違いを見ることができた。折角なので少ししつこくまとめました。 |
・今回は少し華やかさには欠けますが、大きくアップした写真などの提供もありましたのでお楽しみください。 |
・蝶の写真提供もありましたので、まとめて掲載します。 |
・解散後、林道を戻る際にツカモトハコベらしき植物を見つけました。参考までに掲載します。 |
・オカウコギについてはミヤマウコギとの識別ポイントの整理などもあるので、今回は取り上げず、いつか整理して掲載させて頂きます。 |
・帰路にツカモトハコベと思われる株を見つけましたが、その後、サワハコベと判明しました。その経緯等をページの最後に記載しました。 |
5.観察できた植物
@主な草花(約32種以上、葉だけの物、シダ植物なども含む)
・アカショウマ、アケボノソウ、ウツボグサ、ウマノミツバ、ウワバミソウ、オカタツナミソウ
・キクムグラ、キツネノボタン、キツリフネ、クサアジサイ、クラマゴケ、クリンソウ、コウゾリナ、コウライテンナンショウ、コナスビ
・ササユリ、サワギク、シオデ、トチバニンジン、ハナニガナ、ヒメジョオン、ヘビイチゴ、ホウチャクソウ
・ミズヒキ、ミゾホオズキ、ミヤコアオイ、ムラサキサギゴケ、ムラサキサギゴケ、ムロウテンナンショウ、モミジカラスウリ、ヤマキツネノボタン、
ヤマトキホコリ
A主な樹木(約50種以上、葉だけの物を含む)
・アオキ、アカシデ、アクシバ、アワブキ、ウスノキ、ウツギ、ウラジロマタタビ、ウリノキ、エゴノキ、オオバアサガラ、カンサイスノキ、
キブシ、クサイチゴ、クマジデ、クマノミズキ、コツクバネウツギ、コマツナギ、コミノサルトリイバラ
・サルトリイバラ、サンカクヅル、サンショウ、シラキ、スイカズラ、タンナサワフタギ、ツタウルシ
・ナガバモミジイチゴ、ニガイチゴ、ニワトコ、ヌルデ、
・ハナイカダ、ヒメクロモジ、ヒメコウゾ、マタタビ、マルバウツギ、ミカエリソウ、ミズキ、ミツバウツギ、ミヤマウグイスカグラ、ミヤマホウソ
(ミヤマハハソ)、ムラサキシキブ
・ヤハズアジサイ、ヤブイバラ、ヤブウツギ、ヤブムラサキ、ヤマアジサイ、ヤマウルシ、ヤマガシュウ、ヤマグワ、ヤマハゼ
〇植物の写真
(サムネイルをクリックすると、拡大画像になります。元に戻るにはブラウザーの「戻る矢印ボタン」を押してください。)
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ササユリ |
ササユリ |
アワブキ |
〇山麓で咲き始めました。 |
〇開花したばかりで大変きれい。 |
〇焚き火で燃やすと木口から泡が吹き出るとか。 |
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サンカクヅル |
サンクカクヅル |
サンカクヅル |
〇別名は、ギョウジャノミズというそうです。茎の切り口から行者さんが水を飲んだからとか。
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〇雄花をアップするととても面白い。
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サンカクヅル |
シラキ |
シラキ雌花 |
〇雌花も見えている。
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〇穂状に伸びたシラキの雄花。
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〇雌花は雄花の下に数個ある。受粉すると柄が伸びてくるようで、これはすでに受粉済みか。 |
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シラキ雌花 |
シラキ雌花 |
シラキ雄花 |
〇受粉する前の雌花。柱頭が分かれている。 |
〇三つに分かれた雌しべの先端、柱頭。 |
〇穂状の雄花のアップ。花粉が見える。 |
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(参考写真)シラキ果実 |
キクムグラ |
キクムグラ |
〇果実ができてきている。三つに分かれた柱頭が残っているので、柱頭の下の部分(子房)が果実に変化しているのが分かる。 |
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ミゾホウズキ |
タンナサワフタギ |
タンナサワフタギ |
〇早春から初夏まで長く咲く。 |
〇穂状の花が開いて綿のよう。 |
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ウスゲクロモジ |
ヤマウルシ |
モミジカラスウリ |
〇ヒメクロモジより葉柄が長い。葉脈が葉の裏に突出している。 |
〇基部の小葉が小さい。
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〇蕾の上にモミジのように割れた葉が見える。
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コバンノキ果実 |
(参考写真)コバンノキ花 |
コアカソとオトシブミ |
〇花も小さいので果実は実に小さい。 |
〇葉腋から小さな花をぶら下げる。 |
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ミヤマウグイスカグラ |
ミヤマウグイスカグラ |
ミヤマウグイスカグラ |
〇ヤマウグイスカグラより花も果実も毛が多い。 |
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〇果実にも毛がある。
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ヤブムラサキ蕾 |
(参考写真)ヤブムラサキ |
ムラサキシキブ蕾 |
〇花は下向きにぶら下がる。毛に包まれている。 |
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〇ムラサキシキブの花は上向きにつく。
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ミドリヒョウモン |
イチモンジチョウ |
ダイミョウセセリ |
〇ウツギにはよく蝶がやってくる。 |
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〇今回、帰路でツカモトハコベと思われる蕾を見つけました。→サワハコベでした。
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ツカモトハコベ→サワハコベでした |
(参考写真)ツカモトハコベ |
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〇ツカモトハコベと思われる蕾。
→ますたにさんから「サワハコベと思われる」と連絡がありました。 |
〇昨年の咲きかけのツカモトハコベ
よく似ている。
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〇今回見つけた株はサワハコベと思われます。サワハコベとツカモトハコベは実に似ていて花が咲いていないとしばしば混同します。
・サワハコベは北摂地方では見かけますが、金剛山ではあまり見かけません。最大の特徴は花弁の先が割れていることです。
・ツカモトハコベは、近年、新種として認められたハコベで花弁がありません。ますたにさんが、変わったサワハコベとして
20年近く前にHPに掲載されていたこともありました。その経緯は「金剛山の山野草」に掲載されています。
今回の株の花を確認しようと6月14日に再度花が訪れましたが、残念ながら花は見つかりませんでしたが、これまでの写真も使い整理しました。
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サワハコベ(今年6月14日) |
サワハコベ(昨年5月) |
サワハコベ(昨年5月) |
〇サワハコベには花弁があり、先が割れています。
〇茎が地面を這い、葉と葉の間は離れている。
〇スペード型をした葉の形は殆ど同じですが、葉の縁がツカモトハコベほどは波打っていません。(このページを担当している編集者個人の感想です。) |
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ツカモトハコベ(今年6月14日) |
ツカモトハコベ(昨年6月) |
ツカモトハコベ(昨年6月) |
〇ツカモトハコベには花弁がありません。
〇葉は上部にまとまって重なるように付いてます。
〇同じようなスペード型の葉をしていますが、縁が少し波打っているように感じます。(個人的感想です。) |
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