第146回観察会の記録


1.日時:2019年6月8日(土)

2.参加人数:27名

3.観察コース:登山口バス停〜黒栂谷(解散)

4.観察会の状況

集合したときから微妙な天気でしたが、林道を登り昼頃にはガスの中に到達してついに雨に。
解散時のタイミングもうまくとれず、流れ解散のようになってしまいました。
野草の花は少なくなってきて木の花が中心になってきましたが、このコースはクマノミズキ、ミズキ、ツクバネ等が近くで見ることができるほかバイカウツギが見られて楽しめます。
・実質的には梅雨入りだと思うのですが気象庁の発表はまだです。でも、カタツムリはもう梅雨だと思っているようで首を伸ばしていました。アップの写真を提供いただいたのでお楽しみください。ヒダリマキマイマイではないかと思われるのですが、よくご存じの方がいらっしゃったら、HPトップページの画像送付用メールで名前を教えてください。
・今回、ウラジロマタタビマタタビをすぐ近くで見ることができました。マタタビは花がまだ咲いていませんでしたが、ウラジロマタタビは花が残っていました。良い機会なのでマタタビウラジロマタタビサルナシの写真を並べました。マタタビはこれから花が見られると思いますし、ウラジロマタタビも山上ではまだまだ見る機会があります。参考にしてください

 5.観察できた植物

@主な草花(約47種以上、葉だけの物も含む)
・イヌガラシ、ヒメウワバミソウ、オオイヌノフグリ、オオカワヂシャ、オオナルコユリ、オカタツナミソウ、オカタラコウ、
 オッタチカタバミ、オニタビラコ、オニノゲシ、オヤブジラミ
・カモガヤ、カラスノエンドウ、キキョウソウ、キツネノボタン、ギボウシ、グンバイナズナ、コウゾリナ、コウライテンナンショウ、
 コバンソウ
・サワギク、シオデ、スイカズラ、セイヨウタンポポ、タケニグサ、タチイヌノフグリ、チゴフウロ
・ナルコユリ、ニガナ、ニワゼキショウ、ノアザミ、ノゲシ、
・ハナニガナ、ハハコグサ、ハルジオン、ヒナギキョウ、フタリシズカ、ホドイモ
・ミゾホオズキ、ミヤマキケマン、ミヤマナルコユリ、ムラサキカタバミ、ムラサキケマン、
・ヤブヘビイチゴ、ヤマキツネノボタン、ユキノシタ

A主な樹木(約30種以上、葉だけの物を含む)
・アカメガシワ、ミヤマイボタ、ウツギ、ウラジロマタタビ、ウリノキ、エゴノキ、エンコウカエデ
・クサイチゴ、クマイチゴ、クマシデ、クマノミズキ、コウツギ、コゴメウツギ、コマユミ
・サルトリイバラ、シラキ、タンナサワフタギ、ツクバネ、ツルアジサイ、ナガバモミジイチゴ、ニガイチゴ、ノイバラ
・バイカウツギ、ヒメコウゾ、フサザクラ、マタタビ、マルバウツギ
、ミズキ、
・ヤブイバラ、ヤブウツギ(シロヤブウツギ)、ヤマアジサイ、ヤマグワ、リョウブ


〇植物の写真

  (サムネイルをクリックすると、拡大画像になります。元に戻るにはブラウザーの「戻る矢印ボタン」を押してください。)

オヤブジラミ オカタツナミソウ (参考写真)タツナミソウ
○オカタツナミソウは、花の近くの葉が大きい。 ○タツナミソウは、下の葉の方が大きい。

エゴノキ ナルコユリ ハナイカダ果実
○熟すと黒くなります。

ヤブヘビイチゴ ナワシロイチゴ ナワシロイチゴ
○葉の先端が少し尖っていて、果実に照りがある。 ○アップで見るとなかなか綺麗、ミクロの美しさが際立ってきます。

クマノミズキ (参考写真)ミズキ (参考写真)ミズキ
○葉は対生で少し細長い。花は6月、これからです。 ○ミズキの花は5月に咲く。これから実が大きくなってきます。 ○枝の先端付近は対生に見えるが、少し下をよく見ると互生にずれてくる。

スイカズラ バイカウツギ ヤブウツギ
○開花後、数日たつと黄色く変色した来る。 ○花弁の数は4枚、他のウツギと少し雰囲気が異なる。咲き始めは虫がいっぱい寄ってくる。 ○一番下に白花のヤブウツギを見ることができます。

ウラジロマタタビ(雄花) ウラジロマタタビの葉裏は白い (参考写真)ウラジロマタタビ両性花
○マタタビの仲間には、マタタビ、ウラジロマタタビ、サルナシなどがあります。ウラジロマタタビは、名前こそ”マタタビ”ですが、サルナシの変種です。本来はウラジロサルナシと名付けられると混乱しなかったのですが、なぜか”マタタビ”とついてしまいました。
○マタタビとサルナシの最大の違いは、マタタビの葉の表は花の時期になると白く色づきますが、サルナシ、ウラジロマタタビは白くなりません。
ウラジロマタタビ、サルナシの雄しべの葯(花粉袋)の色は黒です。マタタビは黄色で、花を見ればすぐに分かります。
○サルナシの果実は、熟すと甘くておいしい。ウラジロマタタビの実は食べたことがありません。マタタビの実も食べたことがありませんが、おいしいという記述は見たことがありません。
○マタタビ、ウラジロマタタビ、サルナシともに花には雄しべだけの雄花と雄花の間に雌しべが見られる両生花があります。

(参考写真)マタタビ(雄花) マタタビの葉裏は緑色 (参考写真)マタタビ両性花
○マタタビの葯の色は黄色。葉の裏は緑色。

サルナシ サルナシ葉裏 アサガラ
○サルナシの葉の裏は緑色。今までサルナシと思っていたのは、その都度、葉の裏まで見ていなかったので多くはウラジロマタタビではなかったかと思っています。そのつもりになってみてみると、サルナシはほとんど見かけないような気がします。ちはや園地キャンプ場にある”おいしい果実”は、間違いなくサルナシです。

アサガラ フタリシズカ ツクバネ雌花
○白い”粒”が花です。

○枝先に萼が羽のように開いた雌花が見える。

ツクバネ雌花 (参考写真)ツクバネ雄花 ミヤマイボタ
○アップしてみると真ん中に柱頭が見えます。

○雌雄異株で、雄花も枝先に付きますが、葯が見えます。 ○葉の先端か少し尖ったミヤマイボタ。


ミヤマイボタ ミヤマイボタ ヒダリマキマイマイ?
○ヒダリマキマイマイと思われるのですが‥‥
※カタツムリの名前をよくご存じの方がいらっしゃったら、HPトップページの画像送付用メールで名前を教えてください。

ヒメコウゾ果実 (参考写真)ヒメコウゾ雄花、雌花 ウリノキ
○果実が少し大きくなってきました。


○赤黒く丸いのが雄花の蕾で、花粉が出てくると左下囲み写真のように白くなります。雌花は赤い雌しべが糸のように飛び出しています。
サワギク ミゾホウズキ ヤブウツギ白花
○白花のヤブウツギですが、少し色が残っているものもありました。

※定例観察会の前後にちはや園地等をまわった記録を「最近の金剛山」コーナーにアップしています。
 こちらもご覧ください


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